目次
ピアノにとって
温度・湿度管理は大切です
ピアノは、木材・金属・クロスやフェルト類など
部品の状態が変化しやすい素材が使われてます。
温度や湿度に敏感な楽器です。
快適に長く使える良いピアノを保つため
また、ピアノの調律を安定させるため
温度、特に湿度は、気を付けることが重要です。
ピアノにとって最適な温度と湿度はどれくらい?
温度 15°~25°
湿度 40%~60%
人間と同じで快適な温度と湿度を好みます。
湿度が高いとどうなる?
ピアノの中が結露し、カビがはえたり
金属部品にサビが出たり、
木やフェルト類が膨張し、部品の動きが悪くなったり
部品の劣化の原因になります。
バランスピンが錆びている様子
動きが悪い様子
音が出にくい、こもった音になる
鍵盤が上がってこなくなるといった
演奏に支障がでることも。
逆に乾燥もよくない!
湿度が低すぎるものピアノによくありません。
乾燥すると木が収縮し
部品にぐらつきがでてきてしまったり
木材の部品に
ヒビが入ってしまったりする可能性があります。
また、
ネジが緩んでしまい雑音の原因になることも。
温度・湿度管理をしよう
温度湿度計を置いて、
お部屋の環境を確認することから、
始めてみましょう。
ピアノがある部屋が
湿気が多いのか、乾燥しているのか
知ることによって対策が変わります。
もちろん、一年を通して温度・湿度は変わるので
時々確認することも大切です。
湿気・乾燥の対策
対策❶ 除湿器・加湿器
除湿器・加湿器を使って、お部屋全体の湿度を
コントロールするのが一番の対策になります。
対策❷ エアコンの位置を工夫する
エアコンの風が直接ピアノに当たってしまうと
乾燥してしまう可能性があります。
また、急激な温度・湿度変化は、
音が狂いやすく、音が安定しにくくなるため、
直接当たらない位置にされると◎
また、エアコンの真下にピアノを置くと
水滴が垂れる可能性があるので注意!
対策❸ ガスストーブや、石油ストーブに注意
ガスストーブや、石油ストーブで
急激にお部屋を暖めるとピアノの内部が結露して
部品の動きが悪くなることがあります。
私の経験ですが、とても寒い冬の日に
調律にお伺いさせていただいた時、
お伺いする少し前に石油ストーブで、
お部屋を暖めていただいていたみたいで
ピアノの中が水滴が垂れるくらい
結露していたことがありました。
鍵盤を押しても全く戻ってこず・・・。
時間が経つと、
お部屋が乾燥してきて、動くようになりましたが、
ピアノにはあまりよくない状況でしたね。
寒くないようにと準備してくださっていたので
お気持ちはすごく嬉しいので複雑・・・。
対策❹ ダンプチェイサーを取り付ける
湿度が非常に高くて、ピアノの動きが悪く
演奏に支障が出てしまう時の手段のひとつ。
ダンプチェイサーというピアノの内部に付ける
ピアノ専用の除湿器です。
ピアノ内部をヒーターのようなもので
暖めて湿気を飛ばす方法です。
湿度が上がると自動的に暖め始め
適切な湿度になると
自動でスイッチが切れる仕組みになっています。
ただし、木材の影響が出る可能性があります。
取り付けには適切な調律師の判断が必要です。
四季ある日本。
温度湿度管理、難しい・・・
梅雨の時期はジメジメするし、
冬は乾燥するし・・・
(特に今の新しいお家は乾燥しやすいらしい)
最適な温度湿度を保ち続けるのは大変・・・
温度湿度計を置いてみて確認するだけでも
意識は変わりますし
最低限、湿度高すぎ、低すぎだけでも、
少し気にしていただいて、
最悪の状況だけはさけて頂けたら・・・
という思いでいます。