温度・湿度 ピアノへの影響と対策

ピアノにとって
温度・湿度管理は大切です

ピアノは、木材・金属・クロスやフェルト類など
部品の状態が変化しやすい素材が使われてます。
温度や湿度に敏感な楽器です。

快適に長く使える良いピアノを保つため
また、ピアノの調律を安定させるため
温度、特に湿度は、気を付けることが重要です。

ピアノにとって最適な温度と湿度はどれくらい?

人間と同じで快適な温度と湿度を好みます。

湿度が高いとどうなる?

ピアノの中が結露し、カビがはえたり
金属部品にサビが出たり、
木やフェルト類が膨張し、部品の動きが悪くなったり
部品の劣化の原因になります。

バランスピンが錆びている様子

動きが悪い様子

音が出にくい、こもった音になる
鍵盤が上がってこなくなるといった
演奏に支障がでることも。

逆に乾燥もよくない!

湿度が低すぎるものピアノによくありません。
乾燥すると木が収縮し
部品にぐらつきがでてきてしまったり
木材の部品に
ヒビが入ってしまったりする可能性があります。
また、
ネジが緩んでしまい雑音の原因になることも。

温度・湿度管理をしよう

温度湿度計を置いて、
お部屋の環境を確認することから、
始めてみましょう。

ピアノがある部屋が
湿気が多いのか、乾燥しているのか
知ることによって対策が変わります。

もちろん、一年を通して温度・湿度は変わるので
時々確認することも大切です。

湿気・乾燥の対策

除湿器・加湿器を使って、お部屋全体の湿度を
コントロールするのが一番の対策になります。

エアコンの風が直接ピアノに当たってしまうと
乾燥してしまう可能性があります。
また、急激な温度・湿度変化は、
音が狂いやすく、音が安定しにくくなるため、
直接当たらない位置にされると◎
また、エアコンの真下にピアノを置くと
水滴が垂れる可能性があるので注意!

ガスストーブや、石油ストーブで
急激にお部屋を暖めるとピアノの内部が結露して
部品の動きが悪くなることがあります。

私の経験ですが、とても寒い冬の日に
調律にお伺いさせていただいた時、
お伺いする少し前に石油ストーブで、
お部屋を暖めていただいていたみたいで
ピアノの中が水滴が垂れるくらい
結露していたことがありました。
鍵盤を押しても全く戻ってこず・・・。
時間が経つと、
お部屋が乾燥してきて、動くようになりましたが、
ピアノにはあまりよくない状況でしたね。
寒くないようにと準備してくださっていたので
お気持ちはすごく嬉しいので複雑・・・。

湿度が非常に高くて、ピアノの動きが悪く
演奏に支障が出てしまう時の手段のひとつ。
ダンプチェイサーというピアノの内部に付ける
ピアノ専用の除湿器です。
ピアノ内部をヒーターのようなもので
暖めて湿気を飛ばす方法です。
湿度が上がると自動的に暖め始め
適切な湿度になると
自動でスイッチが切れる仕組みになっています。

ただし、木材の影響が出る可能性があります。
取り付けには適切な調律師の判断が必要です。

四季ある日本。
温度湿度管理、難しい・・・

梅雨の時期はジメジメするし、
冬は乾燥するし・・・
(特に今の新しいお家は乾燥しやすいらしい)

最適な温度湿度を保ち続けるのは大変・・・

温度湿度計を置いてみて確認するだけでも
意識は変わりますし
最低限、湿度高すぎ、低すぎだけでも、
少し気にしていただいて、
最悪の状況だけはさけて頂けたら・・・
という思いでいます。