こんにちは!
ピアノ調律師の吉田玲奈と申します。
ご覧いただきまして、ありがとうどざいます。
ピアノのちょっとした豆知識を、ちょこちょこ、
簡単にご紹介していくページです。
Q.54 ピアノはサイズによって何が変わるの?
大きく分けると下記の違いがあります。
①弦の長さ、巻線の太さ
②鍵盤の長さ
③響板の面積
グランドピアノの場合
+側板の厚み
それによって何が違ってくるのかというと・・・
①音色
②タッチ、表現の幅
③音量の幅
+音の響きのバランス
詳しく知りたい方は☟
①弦の長さ、巻線の太さ
弦の性質として
長くする又は太くすると
音が低くなります。

弦❶より弦❷の方が短いが
弦の太さを太くすることにより
同じ音が出せる。
なので、
低音は芯線に銅線を巻き付けた弦(巻線)を使って
弦を太くすることで低い音を出しています。

ピアノが大きくなるほど、
長い弦が使えるため芯線の弦が増え
巻線の数が減り、
巻線の太さも細くなります。
逆に、
ピアノが小さくなるほど、
短い弦で低い音を出さなくてはいけないので
巻線の数は多くなり、弦も太くなります。
同じ音でも、弦の長いピアノの方が
奥行きがある深い音になります。
太い巻線は、“ぼぉん!”と
伸びにくい音になりやすく
細めの巻線を使ったピアノの方が
同じ音でもクリアな低音が出る傾向があります。
つまり、音色に違いが出てくる!
②鍵盤の長さ
鍵盤の見えているところは
どのピアノもだいたい同じ長さなのですが
ピアノの内部に隠れている部分の長さは
ピアノのサイズによって違ってきたりします。


ピアノのサイズを大きくすると
ピアノの奥行も長くとれます。
つまり、
鍵盤の長さも長くすることができます。
鍵盤が長い方が、タッチがしっかりしおり
弾き手の微妙な力具合が伝わりやすく
音の強弱やニュアンスをつけやすいです。
表現の幅が広がります。
③響板の面積
響板は、弦の振動を増幅させ
音響効果を高める木の板です。
いわゆるスピーカーの役割を果たしている部品です!

アップライドピアノ

グランドピアノ
☝弦の奥にある木の部分が響板
もちろんピアノのサイズによって
響板の面積も変わってきます。
響板の面積(ピアノのサイズ)が大きい程
繊細な小さい音やダイナミックな大きな音の
ギャップが大きくなります。
つまり、音量の幅が広がります
グランドピアノの場合+側板の厚み
側板は、水色で塗っているところで
グランドピアノが大きくなると
側板の厚みも厚くなります。

側板の厚みがあるほど強度が上がります。
側板も木材でできているため
側板にも弦からの振動が伝わります。
グランドピアノ全体に振動が伝わるので
低音から高音までバランスよく響きます。