こんにちは!
ご覧いただきまして、ありがとうございます。
ピアノ調律師の吉田玲奈と申します。
ピアノの移動時にピアノ運送業者さんから
ピアノクリーニングを勧められることがあります。
急に言われてすぐ決断をしないといけないのは
慎重な判断ができない!と思うので
今回はピアノクリーニングについてご紹介します。
ピアノクリーニングとは?
クリーニングする会社によって
精度や、どこまでするかは
違ってきたりはすると思いますが・・・
ピアノクリーニングとは、
ボディーを研磨して綺麗にしたり
金属部品の錆を落としたり
ホコリ等をお掃除する作業を行うことです。



ピアノのボディーは研磨するだけなので
深めの傷は基本的にはなおりません。
大きい傷を直したい場合は、
別途修理代が必要になるところが
ほとんどだと思います。
また、現在の黒色のピアノの塗料は
ポリエステルが使われてることがほとんどですが
年数がかなり経過しているピアノだと
カシュ-やラッカーという塗料が
使われていることがあり
クリーニングで塗面を研磨してもらっても
仕上がりに限界があったりします。
内部部品の劣化等による部品交換や修理も
クリーニング代とは別に料金がかかってきます。
クリーニングをしておけばOK!
ピアノが使える~!というわけではなく
ピアノクリーニングとはその名の通り
ピアノのお掃除ということなんです。
修理はクリーニングとはまた別の話なんです。
①ピアノをお預かりしてするパターン
一旦、3週間~1か月ほど
工房でお預かりして作業します。
☆お客様のご自宅では使えない工具で研磨等できる。
また、時間をかけれる分、綺麗な仕上がり。
☆修理代をかければ、大きい傷も直してもらえる。
☆調律の期間が空いていて音の狂いがひどい場合
一度工房でも調律(粗調律)してあることがある。
★長い時間ピアノが弾けない。
★修理が必要な場合、電話などで説明されるため
ピアノに詳しくない方からしたら説明が難しいし
修理箇所を事前に確認できない。
★料金が高い。
②お客様のご自宅でするパターン
数時間頂いて
お客様のご自宅で作業します。
★お客様のご自宅で使えない工具もあるので
すべて手作業で磨いていくことになります。
時間が限られるため、
してもらえる作業にも限界があるかな。
★大きな傷修理等はその場ですぐに対応できない。
★音の狂いがひどい場合調律だけでも時間がかかる。
調律は別日で行ったり
何回かご自宅にお邪魔することになるかも。
☆修理が無い場合、
基本的にその日にピアノが弾ける。
☆修理が必要な場合、その場でお客様自身に、
修理が必要な個所を確認してもらえる。
☆比較的、料金はリーズナブル。
クリーニングの良いところ
ピアノを長持ちさせることに繋がります。
普段の調律作業時ではできない部分も綺麗に。
ピアノの内部は、ほっておくと
ホコリがたまっていたり
ひどい場合、
ゴキブリの卵やら
ネズミの死骸やらがでてきたりします。
実家から新しいお家へ移動させるときなど
すっきり綺麗な状態のピアノをお出迎え
したいなあと私は思いますね。
やる?やらない?
ピアノもクリーニングができるということ、
クリーニングとは別に修理代が必要な場合があるということは
知識として知っておいてもらえるといいのかなと思います。
クリーニングをお願いしたのに
内部を見てもらうと
修理が必要なところが多く
オーバーホールなど
大がかりな修理をすすめられることも。
クリーニングを検討したい場合、
事前に内部状態をみてもらって
移動代、クリーニング代、修理代、調律代の
見積もりを取っておくと、予算取りができ
全体でどのくらいかかってくるのか
しっかりみえてくるので安心ですね。