ピアノを長持ちさせるための対策!

こんにちは!
ご覧いただきまして、ありがとうございます。
ピアノ調律師の吉田玲奈と申します。

長持ちさせるために・・・

ピアノは簡単に買えるような品物ではない
高価な楽器。

だからこそ、
末長く大切に使いたいものではないでしょうか。

ピアノを長持ちさせるための対策について
10項目に分けて、ご紹介していきます。

①ピアノを置いているお部屋に温度・湿度計を置く

ピアノは
木材・金属・クロスやフェルト類など
部品の状態が変化しやすい素材が使われています。
また、温度や湿度の変化によって
弦が伸び縮みして音が狂います。
そのため、
温度や湿度に敏感な楽器です。

快適に長く使える良いピアノを保つため
また、
ピアノの音を安定させるために
温度や湿度に気を付けることは重要です。

温度・湿度が分かる温度湿度計を
置いてみましょう~。

1年を通して温度・湿度は変わるので
時々確認することが大切です。

②必要であれば除湿器・加湿器で湿度調整

①で確認した湿度が最適でない場合
除湿器・加湿器を使用し
お部屋全体の湿度を調整してみましょう!

③窓が近い場合は遮光カーテンを付ける

ピアノの置かれている場所は、
☆直射日光が当たらない場所ですか?
☆窓に近いところに置いてないですか?

西日が当たるところは
日照時間が長く寒暖差が大きくなります。
寒暖差が大きいと
音が狂いやすくなったりします。

また、
木の部品が劣化しやすくなります。

窓際は
屋外の天候の影響を受けやすくなります。
窓が近いと
冬、外の寒い空気とお部屋の暖かい空気の
急激な温度変化で
ピアノの内部が結露する可能性も。

このような場合は
厚手の遮光カーテンなどで対策を。
天気が良い湿度が低い日などは窓を開けて
風通しをよくすることも大切です。

④冷房、暖房器具は離れた場所に

急激な温度変化、湿度変化は
音が狂いやすく、音が安定しにくくなり
また
ピアノ内部にダメージをあたえてしまいます。

エアコンの風が直接ピアノに当たってしまうと
乾燥してしまう可能性が・・・
エアコンの真下にピアノを置くと
水滴が垂れる可能性があるので注意!

ガスストーブや石油ストーブで
急激にお部屋を暖めると、ピアノが結露して
部品の動きが悪くなることがあります。
もちろん、ストーブの上にヤカンも✘
(今はヤカン置くお家少ないかな!)

直接ピアノに当たらない離れた場所に置いて
ゆっくりお部屋を暖めるように工夫されるのが◎

あとは、床暖房は非常に注意です。
床暖房は部屋が乾燥しやすく
床暖房から伝わった熱によって
ピアノ内部にダメージをあたえてしまったり
音程がずれやすくなったり
調整も狂いやすいピアノに
なってしまう可能性があります。
過乾燥の影響で
音を響かすために重要な響板という木材の部品が
割れてしまうという最悪な事態も。
床暖房のあるお部屋に置く場合は
細心の注意が必要になってくるので
ピアノを長く使いたいのであれば
置かないことが一番です。

⑤6畳くらいのお部屋に置いてる場合は注意!

これは私の実体験なんですが・・・
6畳くらいの狭めのお部屋は
エアコンを使うと
すぐにお部屋が暖まったり冷えてくれます。
そこにピアノを置かれている場合
急激に温度・湿度が変化しちゃうので
音が狂いやすく、安定しにくいです。

部屋のドアを開けておいたりして
普段生活している温度・湿度に
近くなるよう
風通しを良くしておくのが良いですね。

⑥水回りの近くには置かない

浴室やキッチン、洗面台が近いと
湿気がたまりやすいので注意です。
 
また、キッチンは
調理している時に蒸気が発生しますし
油跳ねでボディが汚れるので✘

水回りから離れたところに
置いておくと
温度・湿度管理がしやすいですね。

⑦置く場所も重要!

③~⑥で分かるように、ピアノの置く場所でも
長持ちできるかどうかに結構かかわってくるんです。

かぶっている内容もありますが
ピアノの置く場所、どこにする?という記事で
詳しくご説明しています。
よろしければ、ご一読くださいませ。

重たい楽器なので
業者にお願いしないといけないので
移動するのは、なかなか大変。
初めに置く場所を
しっかり考えておかなきゃですね。

⑧鍵盤蓋、屋根の開け閉め

湿気が多い部屋にあるピアノは特に
晴れて湿度が高くない時は窓を開けて
ピアノの鍵盤蓋も開けて風通しを良くすると◎
そして
雨の日や夜間は窓を閉め
ピアノの鍵盤蓋を閉めて置くと◎

また、たまにピアノの屋根
天気の良い、湿度が高くない時に
鍵盤蓋と一緒に開けてもらえると
さらに◎ですね。

⑨たまに弾く

今は、全然弾かなくなって
置物化しているというピアノも
あるのではないでしょうか。

人が住まなくなったお家は
住まれているお家より
劣化が早く進むといいますが
ピアノも同じでは?と思います。

今は弾いてなくても、
またいつか弾く日がくるかもしれません。

たまにでいいので
弾くというより
ジャーン!と鍵盤を押すという
感覚で良いです。
たまに触れてあげてください。

⑩調律も忘れずに!

弦はすごい力で張られているので
例え弾いてなくても、緩んだりして
音は日々少しずつ狂います。
調律していない期間が長くなると
音程が大きく下がった状態になります。
その状態から音の整った良い状態に
戻す作業は、ピアノの負担が大きく
一度調律したところで音は安定しません。

音が狂うだけでなく
内部の状態も変化します。
ほっておくと
内部にたまったホコリが湿気を吸い
金属部品が錆び
木部がカビ
フェルト類が虫に食われ
ネズミに部品がかじられ・・・

弾き心地が悪くなったり
最悪
大がかりな修理が必要な場合も。

良く弾くピアノは
半年~1年に一回

全く弾いてないが、定期的に調律してあり
音が安定しているピアノは
2年~3年に一回

内部状態の確認のためにも
点検として
調律をしてもらえればなあと思います。