ピアノ・電子ピアノ・キーボードの違いって?

こんにちは!
ご覧いただきまして、ありがとうございます。
ピアノ調律師の吉田玲奈と申します。

どう違う?

ざっくりご説明すると・・・

《ピアノ(アコースティックピアノ)》
電気を使用しない生(なま)の鍵盤楽器
※中には、電子部品が搭載された消音ピアノという、切り替えると生の音の代わりに電子音が鳴るピアノもあります。

《電子ピアノ(デジタルピアノ)》
ピアノを模して作られた電子鍵盤楽器

《キーボード》
多機能性で手軽な電子鍵盤楽器

この3つの楽器について、10項目に分けて、詳しくご説明していきます。

①鍵盤数

ピアノ☞88鍵

※例外で92鍵、97鍵あるピアノもあります。
ピアノの豆知識Q.29で解説しているのでぜひ)

電子ピアノ☞88鍵

キーボード☞物によりけり。
      88鍵より少ないことが多い
      (32鍵~76鍵が多い)

②構造

ピアノ☞
鍵盤を押すと、様々な役割の部品たちが連動して動き、最終的にハンマーという部品が弦を叩き音を出します。その弦を叩いた振動が、響板と呼ばれる木の板を伝わって、楽器全体が振動して広がり、複雑に共鳴し独特な響きを生み出します。

↓アップライトピアノの部品の動き

↓アップライトピアノの内部

↓アップライトピアノの響板

電子ピアノ☞
アコースティックピアノの音が録音されており、鍵盤を押すとセンサーが反応し、スピーカーから録音された音が出ます。物によっては、ハンマーが入っていたり、グランドピアノの構造に少し近づけたモデルもあります。

キーボード☞
弦はなく、鍵盤を押すとセンサーが反応し、スピーカーから録音された音が出ます。

③タッチ

ピアノ☞
②の構造でお話したように、鍵盤を押すと、たくさんの部品たちを動かすことになるため、しっかりとした弾きごたえがあります。グランドピアノだと、指の力を抜いた時のアフタータッチが感じれます。

電子ピアノ☞
②構造でお話したように、弦はないがハンマーが入っていて、弾いた時にしっかり手応えが感じられるよう工夫、本物に近いタッチ感を再現させるために工夫されているモデルもあります。また、アフタータッチを再現しているモデルも。進化はしているが、アコースティックピアノとは、やっぱりタッチの違いは、私は感じてしまいますかねぇ~。

キーボード☞
鍵盤のタッチは圧倒的に軽いです。電子ピアノと違って、キーボードは、アコースティックピアノに近いタッチを再現しようと全くしていません。私個人的には、ピアノと電子ピアノとは違う、独自の鍵盤楽器というイメージです。

④音量調節

ピアノ☞音量調節はできません。

電子ピアノ☞音量調節できます。

キーボード☞音量調節できます。

⑤表現力、強弱

ピアノ☞
演奏者の技術、弾き方次第で、強弱、音色が無限に変わり、表情を変えれます。繊細で豊かな表現をすることができます。

電子ピアノ☞
弦やアクションは存在しないので、弾き手が鍵盤を押す強さは、基本的には音量の差でしかなく、弾き方の違いによって音色は変化せず、プロでも素人でも誰が弾いても同じ音色。自然な共鳴等の複雑な効果を表すのは難しく、豊かな表現は作りにくいです。

キーボード☞
タッチレスポンス(強弱鍵盤)機能をもつキーボードでも、ピアノや電子ピアノより、強弱表現が難しめです。

⑥音色、響き

ピアノ☞
ピアノ以外の音は出せません。生のピアノの音でしか出せない響きを感じれます。

電子ピアノ☞
ピアノ以外の楽器の音が搭載されています。キーボードより電子ピアノの方が、アコースティックピアノに近い音色が出せます。

キーボード☞
ピアノ以外の楽器の音やリズム機能が搭載されています。

⑦個体差

ピアノ☞
生の楽器なので、一台一台の個性が少なからず存在します。

電子ピアノ☞
電化製品なので個体差はあまりありません。

キーボード☞
電化製品なので個体差はあまりありません。

⑧楽器の寿命、調律の有無

ピアノ☞
調律・整備(修理)を定期的にすることで、長期間の使用が可能です。

電子ピアノ☞
電化製品なので耐用年数に限りがあるが、定期的な調律や整備は必要ありません。というか出来ないですね。

キーボード☞
電化製品なので耐用年数に限りがあるが、定期的な調律や整備は必要ありません。というか出来ないです。

⑨持ち運び、移動のしやすさ

ピアノ☞
簡単に移動させることはできないです。専門業者に頼む必要が出てきます。

電子ピアノ☞
重さはあるが、素人でも動かすことができます。

キーボード☞
軽量で手軽に持ち運びや移動ができ、便利です。

⑩鍵盤の幅

ピアノ☞
鍵盤幅は、どのピアノも、ほぼほぼ同じです。

電子ピアノ☞
アコースティックピアノと鍵盤の幅は同じです。

キーボード☞
鍵盤の幅が狭いものがあります。あと、鍵盤の奥行も短いものがあります。

あなたは、どの楽器にする?

やっぱり、演奏の技術を高めたいのであれば、グランドピアノ。その次は、アップライトピアノになってくるのかなと思います。

電子ピアノでは、表現力を鍛えたりするのは難しいように思います。アコースティックピアノの構造上、鍵盤をゆーっくり押すと音は鳴ってくれません。電子ピアノだと、センサーが反応したならば、ゆーっくり押しても音は鳴るんですよね。ということもあり、繊細なタッチを音に落とし込むのは、電子ピアノだと難しく感じます。そういう点ではペダルも、ピアノだと使い方次第で、表情は変わりますが、電子ピアノだと、センサーが反応したか否かに違いでしかないので、繊細なペダル捌きを表現するのは難しいですね。私も、”電子ピアノで”上手に弾けた!!!”と思って、実際にピアノで弾いてみると、”えっっっ、下手!!!”って思うことがよくあります。

ただ!!!

調律を定期的にしてくださる方にしか、ピアノはお勧めしないですね(私は)。ピアノ演奏をずっと続けていると、絶対音感でなくても、少なからず音感は鍛えられます(私自身がそうだったので)。なので、しっかり整ったピアノで練習してもらいたい。そう思っています。ということで、”調律めんどくさい!!!”って思う方は、電子ピアノかなぁぁぁぁ。(※個人的意見です)それに、定期的に調律せずに放置しておいたら、動きが悪くなっていることに気づかず、弾き心地悪いピアノになっていたりすることも。調子の悪いピアノで弾いていたら、その楽器の持つ最大限のパフォーマンスができないですし、演奏者の技術向上にも関わってくるのでは・・・?

あと、キーボードは、用途が違う別の楽器という印象があります。電子ピアノは、ピアノに近づけようとして作られていますが、キーボードはそうじゃありません。私の演奏の腕がまだまだだからかもしれないですが、電子ピアノだと思って、キーボードを弾くと、思っている以上に全然弾けません。キーボードは、バンドを組んでおられる方とかだと、手軽に持ち運びできるし、いろんな音、機能があるので、便利なのかなと思います。失敗談を「同じ鍵盤楽器でも、こんなにタッチが違うの!?」という記事でお話しています。気になる方は、ご覧ください!