ピアノの大きさの違いで何か変わるの?

こんにちは!
ご覧いただきまして、ありがとうございます。
ピアノ調律師の吉田玲奈と申します。

ピアノの大きさって重要?

ピアノって大きいと存在感がすごいし、”もっとコンパクトだったら置きやすいのにぃ~”と、私も、たまに思うことはあるんですが、ピアノのサイズで、音やタッチなどに影響があるのか、まとめてみました。

ピアノのサイズによって変わるもの

①弦の長さ、巻線の太さと数

②鍵盤の長さ

③響板の面積

 グランドピアノの場合、側板の厚み

弦の長さ、巻線の太さと数

弦の性質として、長くする、又は、太くすると、音が低くなります。

☝弦❶より弦❷の方が短いが、弦の太さを太くすることにより、同じ音が出せます。

本来、低い音を出すのに長い芯線が必要になるところを、低音は芯線に銅線を巻き付けた弦(巻線)を使うことで弦を太くし、短い弦でも、低い音を出せるようにしています。

ピアノが大きくなるほど、長い弦を使えるため、芯線の弦が増え、巻線の数減り、巻線の太さも細くなります。逆に、小さくなるほど、短い弦の長さで、低い音を出さなくてはいけないため、巻線の数が多くなり、弦も太くなります。

同じ音でも、弦が長いピアノの方が、奥行きのある深い音になります。太い巻線は、”ぼぉん!”と、伸びにくい音になりやすく、細めの巻線を使ったピアノの方が同じ低音でも、クリアな音が出る傾向がありますね。つまり!ピアノのサイズが違うと、音色に違いが出てくるという事です。

②鍵盤の長さ

鍵盤の見えている部分の長さは、どのピアノもだいたい同じ長さです。しかし、ピアノの内部に隠れている部分の長さは、ピアノのサイズによって違います。

ピアノのサイズが大きくなると、奥行きにも余裕ができるため、鍵盤の長さも長くすることができます。

ところで、テコの原理って覚えておられますでしょうか?
支点と力点の距離が遠くなるほど、小さい力でも効率よく力を伝えることができます。

力点→みなさんが普段、指で押すところ

支点→バランスピンという部品で鍵盤を支えているところ

作用点→鍵盤から次の部品へ力を伝えるところ

実は、ピアノの鍵盤にも、このテコの原理が使われています。

鍵盤の長さが長いほど、☝上の写真でいう、力点と、支点の距離を長く取れるため、指の微妙な力加減が伝わりやすくなります。その結果、音の強弱、音色のニュアンス、タッチのコントロール性などの表現がしやすくなります。

つまり、ピアノのサイズの違いによって、弾き心地や表現の幅にも違いが出てきます。

《私の考察》
ピアノの鍵盤は、ピン!と一直線にまっすぐに伸びているわけではありません。音域や構造によって、それぞれ少しずつ形状が異なっています。特に、コンパクトなピアノになるほど、内部スペースに制限があるため、この曲がりが強くなる傾向があります。テコの原理でいうと、鍵盤はなるべくまっすぐな方が、力を素直に伝えやすくなります。逆に、曲がりが大きくなると、多少、力が逃げたり、たわみが発生しやすくなる部分もあるのかな?なんて思ったりしてます。
さらに、コンパクトなピアノは、アクションも限られたスペースで、きゅっ!と収める必要が。
そのため、大型ピアノは構造的に余裕を持たせやすく、自然なタッチ感を作りやすい一方、コンパクトなピアノは、限られたスペースの中で、メーカーが工夫しながら、上手く設計をまとめている感じなのかな?と感じます。

③響板の面積

響板は、弦の振動を増幅させ、音響効果を高める木の板です。いわゆるスピーカーの役目を果たしている部品のことです。

☝弦の奥にある木の部分が響板です。

ピアノのサイズによって、響板の面積も変わってきます。つまり!響板の面積が大きい程、音量の幅の広がります!

グランドピアノの場合、側板の厚み

側板は、☝上の写真でいう、水色で塗っているところです。

側板も木材でできているため、側板にも弦からの振動が伝わります。グランドピアノが大きくなると、側板も厚くなり、厚みがあるほど、強度が上がります。しっかりとした厚みある側板の方が、グランドピアノ全体に振動がしっかり伝わるので、低音から高音までバランスよく響きます。